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免震について


なぜ免震を始めたか


阪神淡路大地震

私が免震構造に本気で取り組み始めたのは阪神淡路大地震(1995年)の大被害を見た後からです。阪神淡路大地震の1年前より免震構造の勉強を始めてはおりましたが、建築学会から「免震構造設計指針」の初版が出版されたのが1989年9月で、免震構造はまだまだ知られていない存在でした。
 
大地震により、建物がどのような壊れ方をするのか設計者として実際に見てみたいと思い、交通機関が麻痺した震災直後の現地へ、熊本から自転車を抱えて向かいました。
 
テレビニュースで伝えられていた以上の被害を自分の目で見、被災者の気持ちを考えると、なかなかカメラのシャッターが切れませんでした。この地震被害を少しでも少なくすることが建築技術者の責務だと実感し、免震の設計をしなければならないと思いました。


免震にチャレンジ

日本における積層ゴム免震構造の第1号は多田英之先生と東京建築の山口昭一氏による八千代台の住宅(1983年)です。それから阪神淡路大地震までの12年間で100棟ほどの免震構造の建物が建てられました。その後、阪神淡路大地震の際免震構造のWESTビル(郵政省の電算ビル)で地震に対する安全性が実証されたことにより、免震構造は一躍脚光を浴びるようになりました。地震後数年は毎年200棟程度の免震建築が建設されました。しかしながら、地震から月日が経つにつれて免震構造が建てられる事が少なくなってきています。何故なのでしょう。
 
1998年の免震構造協会会報No.20春号に次のようなアンケート結果が有ります。免震構造の設計者の所属は76.6%が大手ゼネコン、21.4%が大手設計事務所、2.0がその他です。つまり地方ではほとんど設計されていないと言うことです。
 
免震構造の設計は特殊な振動応答解析や地盤調査などが必要で、建築センターに評定を出し、1物件ずつ大臣認定をとらねばなりません。また、建築センターでの質疑内容のレベルが通常の確認申請と比べてあまりにも高いのです。大学の研究室レベルの質疑です。最先端のそのまた先を行っているようなものです。地方設計事務所で、それに手を出そうと考えるところはありませんでした。その上東京での審査のため設計期間が2〜3ヶ月程も増え、費用も膨大なものとなります。なかなか普及しなかったはずです。
 
しかし私は、東京の大手に出来て地方で出来ないはずはない。と、チャレンジしました。一面識もなかった多田先生にお電話し、免震への取り組みの気持ちと熱意をお話した結果、先生は快く会ってくださり協力を約束頂きました。実際、設計を行い建築センターに評定を出してみると、先に述べましたように最先端の質疑を一つ一つクリアすることが大変でありました。しかし、地方の設計事務所の私共でもきちんと大臣認定を摂ることが出来ました。その後の10物件に及ぶ建築センター評定のたびに多くの勉強をし、免震構造の特性と言いますかニュアンスをつかむことが出来ました。
 
現在では新しい検証法として告示による免震構造の設計法が施行されております。免震構造の実績も増えてきましたので、地盤条件を満足すれば以前に比べ、簡単な手続きで確認申請を済ませることが出来ます。これは画期的なことです。免震構造の普及を妨げていた原因の一つである法手続が簡単になったのです。今まではセンター評定での日数と免震設計手続き上の費用の増大を小規模の建物では吸収することが難しいのが現状でしたが、日数だけでも短くなりました。但し、手続きが簡単になっても設計者として安全性に責任があることは変わりません。十分な検討が必要です。


免震の工事は難しくない。

建築費用に関しても一般の方々への情報が少ないので適切な建築費用が不明確でした。免震構造は高くつくから採用したいけど使えない、と思いこんでいらっしゃる方が多かったと思います。私どもは高級なこの免震構造をいかにして普及させるか工夫をしました。超大手ゼネコンだけが行っていてはなかなか普及しません。そこで、免震建築を地方の大手・中堅ゼネコンに指導していきました。免震の建物は、設計が難しいのですが施工は公共工事を施工できる技術力で十分に可能なのです。
 
重要なポイントをいかに押さえるかが判れば問題はありません。費用も鉄骨鉄筋コンクリートの建物と比較すれば免震構造の建物が安いくらいです。免震構造の建物の設計は塑性域(壊れながらエネルギーを吸収する状態)を使いませんので鉄骨を入れて粘り強さを確保する必要は有りません。免震部材がエネルギー吸収などを一手に引き受けてくれますので、上部構造は強度指向だけで済みます。部屋の中で家具が倒れないくらいの水平力しか生じないのです。
 
免震部材の耐久性に関しても問題はありません。天然ゴム系積層ゴムの耐用年数は通称100年です。海外で100年物の天然ゴムが橋脚に使用されていました。表面は劣化していても中は健全なままです。
 
最後になりますが、私共が設計している免震構造は前述しました天然ゴム系積層ゴムを使用したダンパー別置きタイプ、いわゆる「RSL免震システム」です。このRSL免震システムは高い信頼性を備え、新首相官邸にも採用されております。RSL免震システムに採用するアイソレータ・ダンパー等は全ての性能データを公表しています。信頼できるデータに基づき設計者が最良の組み合わせを行うことが出来ますので設計者としては腕の見せ所でもあります。また、完成後の維持管理が行いやすいシステムでもあると思います。
 
当社の設計実績も評定10物件、設計中を含め告示免震17物件となりました。現在でも免震構造の建物は全国でまだ2000棟程度です。私共は安全な免震建築を1棟でも増やしていくことに努力しています。


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